不動産を購入したことがないという方へ:購入までの10ステップ

不動産は購入するまでに、いくつかの取引や契約があります。
具体的には、売主(売買契約)、融資者(金銭消費貸借契約)、売買仲介会社、司法書士(登記依頼)などです。

このブログを読めば、不動産を購入したことがない人でも購入手続きのイメージができます。
また、私の実体験の内容も含まれていますよ。

取引の流れと内容を知り、わからないことや不安なことがあれば、不動産会社へ相談しましょう。

物件取得の流れ

不動産を購入する流れは次のとおりです。

01. 不動産購入の目的(自用・投資用)確認
02. 条件(予算、不動産条件)設定
03. 情報収集
04. 問合せ・資料請求
05. 物件評価(現地調査・物件内覧)
06. 購入申込書
07. 融資審査
08. 売買契約締結
09. 本審査・金銭消費貸借契約締結
10. 決済実行・登記手続き依頼
11. 不動産取得税(購入後)

01. 不動産購入の目的(自用・投資用)確認

まずは目的設定です。
ごく当たり前のことを言いますが、不動産を購入する目的が自宅用なのか、投資用なのかを決めなければなりません。

なぜでしょうか?



それは資金計画(特にローン)に大きく関わるからです。
資金に余裕があれば別ですが、ローンを活用する場合に借りることができる金額には制限があります。


ここでは、賃貸物件に住み、ローンを借りる前提の話をします。
・自宅用不動産であれば、自分の所得(給与)から返済しなければなりませんが、自宅の家賃を払う必要はなくなります。
・投資用不動産であれば、賃料収入が返済原資となりますが、自宅の賃料は払い続けることになります。

したがって、自宅用か投資用かで融資額(ローンの借入額)が変わり、購入できる不動産の金額(予算)に大きな影響を与えます。

その他の目的としては、老後の年金代わりとしてや、相続対策などもありますね。

02. 予算設定

さて、目的が決まれば、次に予算の設定です。
自宅用であれば生活の基盤を作るためですし、投資用であれば生活を少しでも豊かにするためです。
不動産を購入しても生活が窮屈になっては困るでしょう。無理のない資金計画が必要です。

そこで次のようなことを、大枠でイメージするとよいと思います。

・頭金(自己資金)はいくらにするか
 → 貯金で使える金額はいくらか、親せきから調達するか
・月々の返済額をいくらにするか
 → 給与の何割をローン返済とするか、賃料でローン返済が賄えるか
・何年間のローンを組むか
 → いつまで仕事をするか、何年不動産を所有するか


※ローンについては別の記事で書きます。

これにより予算がだいたい決まり、購入する不動産の規模といった選択肢が見えてくると思います。

03. 情報収集

明確になった目的や予算をもとに、インターネットで検索したりや不動産会社の店舗に行くなどして物件情報を集めます。

とはいえ物件には、新築・中古、一棟・区分、アパート、戸建てなどさまざまな種類があります。

最初は悩むことも多いと思います。
不動産屋に相談するのが良いですが、インターネットなどでたくさんの物件情報に触れ、条件を絞り込むことで、不動産屋との良いコミュニケーションを築いていきましょう。

たくさんの物件を見ているうちに、自分がどのような物件に投資したいのか、少しずつ絞り込むことができるようになります。


ここには多大な時間をかけることになるかもしれません。
大きな買い物になりますので、不動産屋のリアルかつタイムリーな情報に、自身の判断と決断力が重要です。

不動産投資における物件の種類については、こちらの記事に記載しています。それぞれのメリット・デメリットなどが分かります。

※物件の種類については別の記事で書きます。

04. 問合せ・資料請求

気になる物件が見つかったら、不動産会社に問合せと資料の請求をします。

必要な資料を依頼しますが、不動産会社によっては手元にない場合もあります。
これは私も経験ありますが、物件情報が新しい場合や、売主の情報開示が乏しいことによる資料不足は結構あります。

資料を入手したら、利回り計算を自身で行いましょう。
実質利回りは、不動産投資をする上で重要な指標となるため、しっかり計算しておきましょう。

【不動産投資】表面利回りと実質利回りについて

05. 物件評価(現地調査・物件内覧)

気になる物件があれば現地調査を行います。
空室の物件で内覧ができるのであれば必ず確認しておきましょう。
外観は自身でも確認することができるため、少なくとも自身で現地に行くことをお勧めします。

また建物や設備の状態だけでなく、利便性や治安など周辺環境も重要です。
また、公共交通機関の駅やバス停から物件までの道のりを歩いてみるのもおすすめです。

私が賃貸マンションを選定するときのポイントは別の記事で書きます。

06. 購入申込書

購入したい物件が絞れたら、不動産会社に購入申込書を提出します。
購入申込書を提出することで、売主に物件購入の意思を示すことになります。

購入申込書には、次の事項を記載し、買主が署名・捺印をします。
・物件の名称
・所在地
・購入希望価格(指値金額)
・支払方法(手付金、ローン特約)
・有効期限などを記載し、。
※ローン特約とは融資が下りなかった場合は契約を無効にするというものです。

ただし、購入申込書を出したからといって、必ず買えるわけではありません。
複数の購入者や投資家が同じ物件に購入申込書を提出した場合、誰に売るかを決めるのは売主です。

また、購入申込書には法的な拘束力はなく、あくまで意思表明となります。
取り下げることも可能ですが、安易な取り下げは不動産会社及び売り主からの信頼をなくします。
ご自身の購入意思を確認して、購入申込書を出しましょう。

07. 融資審査

多くの人が自己資金+ローンで物件を購入することでしょう。
自分で金融機関に行き申込を行うこともできますが、不動産会社からの紹介のほうが有利に進められることが多い感じがします。

また、審査時には資料を求められるため、事前に必要資料を確認し、場合によっては不動産会社に用意してもらうとスムーズでしょう。

この時点で行う審査は、あくまで事前審査です。
実際には、物件の売買契約締結後の本審査で承認が出て、初めて融資を受けられることが確定します。

ローンで物件を購入する場合は下記日数を予め想定しておくとよいでしょう。
事前審査  :2週間程度

売買契約締結:1日

本審査   :3~4営業日程度

決済・物件引渡

08. 売買契約締結

金融機関の事前審査に通ったら、次は物件の売買契約です。
また、売買契約締結にあたり事前に宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。
宅地建物取引士の独占業務です。)

重要事項説明書には、物件に関する事項と取引条件に関する事項が記載されています。記載内容に齟齬はないかなど、よく確認しましょう。

問題がなければ、売主と買主で正式な売買契約を結びます。
一般的には、売主と買主が顔を合わせて手続きを行い、契約書に署名・捺印し、手付金を支払いますが、私は一度も売主と顔を合わせたことはありません。
手付金は売買価格の5~10%程度が目安とされていますが、法的なルールはありません。

現金での購入でない場合は融資特約を付けるようにしましょう。
融資特約とは、金融機関で融資が承認されなかった場合に、買主が契約を白紙に戻すことができるとする契約のことです。

事前審査を通過しても、本審査で不成立になる場合もあります。
購入時のリスクを減らすために、融資特約は重要であることを覚えておきましょう。

09. 本審査・金銭消費貸借契約締結

売買契約と同時に、金融機関に正式に融資の申し込みをし、本審査を受け、
本審査後に、金融機関と金銭消費貸借契約(ローン契約)を結びます。

金銭消費賃貸借契約とは、将来の弁済を約束した上で、金銭を消費するために借り入れる契約のことです。
また、基本的には金銭消費貸借契約に付随して、質権や抵当権、譲渡担保等の担保物権が設定されます。

金銭消費貸借契約書について、記載金額が1万円を超える場合は、印紙税法により課税文書扱いとなるので、収入印紙を貼付の上消印しなければなりません。
事前に金額を確認し、準備しておくと良いでしょう。

収入印紙が無い場合は他の課税文書と同じく、契約そのものは有効であるが印紙税法違反(脱税)となります。

※売買契約書や金銭消費賃貸借契約書など、多くの契約があり、不動産購入時だけではなく購入後の書類は多いです。書類整理の記事はコチラ

10. 決済実行・登記手続き依頼

売買契約と金銭消費賃貸借契約が締結できれば、後は決済(売主に対する売買代金の支払い等)です。

決済実行の当日について、通常は融資を受ける金融機関の店舗で行われます。
売主、買主、不動産会社、銀行担当者、司法書士が立ち合い、登記手続きから始まり、融資実行、売買代金支払いと進みます。

決済で発生する主な費用は次の通りです。
・残代金(手付金を除く売買代金)
・固定資産税清算金
・登記費用・登記手数料
・仲介手数料

支払いや清算方法については別の記事で書きます。

11. 不動産取得税(購入後)

不動産取得税とは、不動産を新たに取得したときに課される税金で、1度のみ支払いが発生するものです。

購入、贈与、建築などの取得形態に関わらず、個人も法人も、都道府県への納税義務が発生します。

気を付けなければならないのは納税のタイミングです。
不動産取得税の納税通知書が届くのは、不動産の取得から約半年~1年後と、ずいぶん先の話になります。まさに「忘れた頃に来る税金」ですね。
実際に私が最初に不動産を購入したときは、取得から8か月後に通知が来ました。

不動産取得税は決して小さな金額ではありませんので、しっかり準備をしておかないと、通知書が届いてから慌てて資金をかき集めて回る、という事態にもなりかねません。

不動産にかかる税金についてはこちらにまとめています。

まとめ

不動産購入の流れはつかめたでしょうか。数ヶ月間さまざまな工程を経て、不動産(物件)を購入できることがご理解いただけたと思います。

これらの情報収集や手続きについては不動産会社がサポートしてくれます。
しかし、全てを不動産会社に任せっきりにしてしまうのは危険です。
物件を購入するのはあなた自身です。不動産会社ではありません。

とはいっても信頼できる不動産会社はいくつもあります。
信頼できる会社にお願いするのも良いですし、納得いく判断ができるよう、知識を身に着けるのも良いと思います。

そのための情報は、この「まさたび」ブログにあります。

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ABOUTこの記事をかいた人

まさたびです。不動産会社に勤め、「安心して幸せな人生を送ること」を目標に、投資(不動産、株式)を開始→経営能力を高めるために資格取得→【不動産コンサル】を目指し、本業+不動産賃貸業(実績3年)+ブログ運営。【不動産×資格】について発信します。